§5-1 西ヨーロッパ世界の成立

ヨーロッパの風土と気候

  • ヨーロッパの地理は、西岸海洋性気候の支配する西ヨーロッパ、地中海性気候の支配する地中海地方、大陸性気候の支配する東ヨーロッパに大別される。
  • ヨーロッパの民族は、インド・ヨーロッパ(印欧)語族を主として、ウラル語系・アルタイ語系民族も見逃せない! ヨーロッパの風土と気候

ゲルマン人の大移動

ローマ=カトリック教会の成立

カール大帝

分裂するフランク王国

  • フランク人は慣習的に分割相続制だったため、その王国はいつも不安定であった。そのためカール大帝の死後内紛が起こり、ヴェルダン条約によって 長兄ロタールは中部フランク及び北イタリア、次男ルートヴィヒは東フランクを、三男シャルルは西フランクを獲得した。 843
  • ロタールの死後、中部フランクは無政府状態となり、土地をめぐり弟二人の間で戦いが再燃した。結果、メルセン条約で中部フランクを分割し、東フランクはドイツ、西フランクはフランスの基礎となった。 870
  • 東フランクでは、カロリング家が途絶えると各有力諸侯の選挙で王が選ばれるようになった。ザクセン家のオットー1世(Z936-973)はマジュール人を撃退し、北イタリアを制圧して教皇から皇帝の位を賜った(962)。これが神聖ローマ帝国の始まりである。 962-1806
  • 西フランク王国では、シャルル死後からノルマン人の侵入が絶えず、カロリング家断絶とともに、ノルマン人に対し防衛に努めたロベール家の血を引くパリ伯のユーグ=カペーが即位しカペー朝を開いた。 987-1328

外部勢力の侵入とヨーロッパ世界

封建社会の始まり

  • ヨーロッパの中世は、長引く混乱により武力・現物主義に傾倒した。この中で、古代末期ローマの恩貸地制度と古ゲルマンの従士世がミックスされ、主君である弱者が地方の有力者に土地(封土)を貸与し、双務的契約の主従関係(封建的主従関係)を結ぶ「封建制」という制度が流行った。
  • 封建社会において、支配階級は、いずれも身分上「騎士」とされ、幼少より騎士道精神が重視され、イニシエーション(臣従礼)もあった。
  • 封建社会において、家臣が領主より与えられた土地は荘園と呼ばれ、領主直営地・農民保有地・山林/湖沼から構成され、領主には裁判権・不輸不入権などの特権があった。
  • 荘園で働く半自由農民を農奴と呼び、労働義務(賦役)・納品義務(貢納)、結婚税・死亡税も課せられた。また、教会からは10分の1税が課せられた。
  • 荘園の収益方法は、三圃制農法の生産能力向上により、初期の賦役主体(古典荘園)から、より労働意欲の上がりやすい貢納主体(純粋荘園)へとシフトした。

教会の権威

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